Old Boy のイラスト日記

イラストを中心とした創作日記

イラストに挑戦(140日目、880H)・・・今世の中が求めているもの

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現在進行中のイラストは、下塗り+肌に影を入れた段階です。

今世の中が求めている絵

今週、ある本を読んでちょっとショックを受けました。

Kindle unlimetedの一冊です。タイトルは「休職中、家に引きこもりながらイラストで月8万円稼いだ方法」(犬吠崎カヤノ著)。いかがわしいタイトルの個人出版物に感じられました。

内容としては、自らの体験を短くまとめたものです。読んでみると文章も構成もしっかりしています。この方、結構仕事ができる人なのではないかと感じました。

今までに読んだKindle本330冊の中、イラストで稼ぐノウハウ本はこれが二冊目です。この本もよくある「副業で稼げる!」本と同じで、プアな内容にタイトルで射幸心をあおっただけの本だろうと思っていたのですが、想像とはちょっと違っていました。

まだ20代のこの方は、サラリーマンとして働き始めてほどなく「適応障害」になってしまったようです。自宅に引きこもる中、趣味で描いてきたイラストを仕事にしようと考え活動を始めたとのことです。そして、今現在需要の大きいのは動画用イラスト(マンガ)ということに気づいたようです。

マンガ(紙芝居)で表現された動画は、表現方法としては比較的新しく、私自身も新鮮に感じていました。ただ、絵が非常に荒っぽく、これってどうなの? と思っていたのですが、その理由がこの本でわかりました。

ギャラが安い

YouTubeに代表される動画コンテンツは、誰でもが自由にアップし、参加できる世界というのはご存じのとおりです。私がいつも見ているコンテンツの半分以上は、動画制作のプロではなく、世の中に何かを伝えたいという一般の方が作ったものです。

動画を視聴している時間が思ったよりも長いため、今は登録チャンネルを絞り込み、登録チャンネルのアップデート分だけに目を通すようにしています。そうでもしないといつの間にかはまってしまいます。それほど動画はエンタメとして魅力的です。

紙芝居動画の多くも、世の名に何かを訴えたい個人の方が制作しているものと思われます。自分で絵が描ける人は自分で描くでしょう。例え描けたとしても、仕事の合間にコンテンツを作っている人の多くは作画まで行う時間はなかなか捻出できないように思います。

そこで趣味で絵を描いている人に依頼するわけですが、その金額はあまり期待できるものとは思えません。

一つのコンテンツの枚数は20枚から30枚とのことです。そして、一コンテンツ当たりの作画で期待できる金額はせいぜい一万円ほど。

20枚として一枚当たり500円です。私のように一枚の絵に実質二日(12~16時間)を費やしていたら、時給40~50円ということになります。パートの仕事だって一日一万円稼いで稼げないことはありませんので、パートの方がはるかに効率はよいと言えます。

いかに早く仕上げるか

この仕事、どう考えてもおいしいとは思えません。ですが、そもそもこの仕事に十分な稼ぎを期待してはいけないのかも知れません。アマチュア同志が協力してひとつのコンテンツを作り上げるところに面白み、醍醐味があるのでしょう。音声についてもプロ(卵?)の声優に依頼している方が多いようなので、何気にコストはかかっています。

  1. シナリオ作り+動画編集
  2. 作画
  3. 音声

少なくともこの三つがセットで、1は、依頼者自身が行うものと私的には思います。(動画編集を依頼する人も少なくないと聞きますが)

作画と音声でそれぞれ1万円、合計2万円でコンテンツを作り、広告収入で2万円以上手に入れることができるのでしょうか。Youtubeの一再生当たりの金額は0.1円ほどが平均と言われていますので、2万円の元を取るには、20万回の再生回数が必要ということになります。これ以上の再生回数を安定して稼げるようになるまでは自腹ということになりますので、コンテンツが魅力的であることは当然として、個人であってもそれなりに予算がないと成り立ちません。安定するまでそれなりに時間がかかる点、一般のビジネスとそう違いません。

イラストに目を向けると、マンガ動画の場合、いかに早く最低限の品質で仕上げるかが勝負と思えます。改めていくつかのコンテンツを見てみたのですが、確かに仕上げはかなりラフです。ただ、あくまでも仕上がり品質がラフというだけの話であり、求められる技量は決して小さいとは言えません。

品質ではなく、描けるものの範囲

この本の中に以下のような記述があります。

『基本的に世の中のインターネットお絵描きマンというのは、可愛い女の子やイケメン等といった自分が好きな絵しか描かないし、描けない生き物です。(中略)たとえ多少キャラが骨折していようがパースが狂っていようが「描き分けができる」という時点で、あなたはものすごく貴重な人材なのです』

この方が、今の仕事で最初に行ったのはマンガ動画用のポートフォリオの作成でした。その内容は、昔話を紙芝居にしたコンテンツです。昔話とは言え、キャラは現代コミック風になっています。

ポイントは、老若男女の描き分けができること。

彼女のコメントが心にグサッと突き刺さりました。彼女の言うとおりです。

私自身、ありふれたインターネットお絵描きマンで、可愛い女の子等といった自分が好きな絵しか描かないし、描けない生き物でしかないことに気づかされました。

それにしてもものすごい言い方です。ツイッターだったら炎上ものです。

「インターネットお絵描きマン」を蔑んでいることは明確です。著者は、不本意ながらサラリーマンの世界には住めなくなったものの、どうにかして自分の力で稼ぎたいという気持ちが強く、結果こうした激しい物言いになってしまったのかも知れません。

  • 自分が好きな絵
  • 自分が描きたい絵
  • 自分基準の仕上がり品質

これらは、「稼ぐ」行為には必ずしもつながらないと言えます。もちろん趣味である限りは勝手です。

彼女の場合は、あくまでも絵で稼ぐことにフォーカスし、依頼者のニーズをきちんと見据えた上で活動を始めています。マーケティングセンスもあれば、洞察力もあり、サラリーマンを続けていたら並み以上の成果を上げていたのではないかと思わざるを得ません。

www.youtube.com

それなりに描ける人に思えますが、ポートフォリオではわざと荒い仕上がりにしているようにも思えます。というのは、ポートフォリオがものすごく高品質だと、依頼者はその品質に期待してしまうような気がするのです。

費用対アウトプット的に無理なのです。

20枚で一万円として、一枚500円。時給千円なら、30分で描かなくてはなりません。実際のところ一枚30分では描けません。作業は作画だけではないからです。

そう考えると月8万円はかなりタイトです。いかにギリギリの品質で、いかに短時間で仕上げるかが勝負になりそうです。高品質(マンガ)動画というのは、プロの制作者らが大きな予算をかけて作る別世界のお話なのです。

幅広いキャラが描けるのか?

『世の中のインターネットお絵描きマンとは、可愛い女の子やイケメン等といった自分が好きな絵しか描かないし、描けない生き物』と言われると、さすがに少しばかりカチンときます。

ただ、もう若くないせいか、カチンの時間が短い。10秒くらいかな。

「カチンの時間」を「カチコチの時間」と読み違えないでくださいね。

確かに、いろんなキャラを描けと言われてそうそう描けるものではありません。それに、マンガ動画の絵はあくまでもマンガです。基本的にアニメ塗りです。今まで、マンガやアニメ塗りとは一線を画した一枚絵のイラストを目指してきただけに、実際にこの活動に参加するなら、ちょっとばかしマインドチェンジが必要です。

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左上のキャラは、WEBマンガを描いている枕辺ショーマさんという方のキャラを真似っこして描いてみたものです。もちろんそっくりそのまま描いたわけではなく、顔の輪郭や目、鼻の位置関係を真似たものです。私が描くとドンくさいキャラになってしまいます。他は、自由に描いたキャラです。下描きなしの早描きですが、なんだかんだ言って、いつも描いているキャラになってしまいます。

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次いで男の子。過去2,3キャラしか描いてませんが、やっぱり私のキャラです。

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少し年齢を上げた女性。体型が維持できているお母さん、お姉さんだったら、ちょっと小じわを追加する程度で年齢を高められるように思えます。

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おじいさん、おばあさん・・・。全然描けてない。おじいさん、ちょっとリアルすぎでしょ。マンガというよりも似顔絵だね。

他には、中年男性、子供、赤ちゃん・・・。自信がありません。

やっぱり私はインターネットお絵描きマン

やっぱり私はインターネットお絵描きマンでしかないようです。それはそれとして、マンガ動画は金にはならないものの、需要はそれなりにあり(?)、それなりに絵のバリエーションが増やせ、それなりにデッサン力(描いてあるものが何であるかがわかる程度の)が求められる分野かも知れません。

実際の動画の構造がどうなっているかをアシタノワダイさんの動画でチェックしてみました。

 

www.youtube.com

 

4分弱の短めの動画ですが、この動画を分析してみました。

 

アシタノワダイ
(漫画)日本の道路が混みまくってる理由がやば過ぎた!(マンガ)

■ 動画長:3:45
■ 動画品質:不明(480p[854X480] もしくは720p[1280X720])
■ 動画表現方式:複数の静止画(紙芝居方式)
■ 音声:声優による会話形式(男女二人、もしくは女性声優による一人二役
■ ナレーション:なし
■ テロップ:基本的に吹き出しに会話文(コミック形式)

 

画像番号 形式 時間 間隔 マンガ枚数
1 写真+吹き出し 0:00 0:09  
2 マンガ+吹き出し 0:09 0:09 1
3 写真+吹き出し 0:18 0:09  
4 写真+吹き出し 0:27 0:11  
5 マンガ+吹き出し 0:38 0:04 2
6 マンガ+吹き出し 0:42 0:03 3
7 図+吹き出し 0:45 0:07  
8 図+吹き出し 0:52 0:07  
9 マンガ+吹き出し 0:59 0:04 4
10 写真+吹き出し 1:03 0:10  
11 効果(絵)+吹き出し 1:13 0:16  
12 マンガ+吹き出し 1:29 0:07 5
13 写真+吹き出し 1:36 0:09  
14 マンガ+吹き出し 1:45 0:11 6
15 マンガ+吹き出し 1:56 0:11 7
16 写真+吹き出し 2:07 0:11  
17 写真+吹き出し 2:18 0:08  
18 マンガ+吹き出し 2:26 0:08 8
19 マンガ+吹き出し 2:34 0:06 9
20 効果(絵)+吹き出し 2:40 0:20  
21 マンガ+吹き出し 3:00 0:06 10
22 マンガ+吹き出し 3:06 0:06 11
23 マンガ(効果文字) 3:12 0:04 12
24 マンガ+吹き出し 3:16   13
         
    平均間隔 0:08  

 

 

この動画で用いられているイラストの場合、男女二人が車に乗ったシーンがほとんどです。アクションは全くなく、顔の向きなども3,4種類しかありません。手描きの絵以外には図や写真が使われ、24枚中イラストは13枚です。

同じ絵を繰り返し使ったり、絵の中の一部を変化させただけのマイナーチェンジもあり、実質せいぜい10枚程度と思われます。

こうやって分解してみると何のことはありませんが、できたコンテンツはミステリアスさも相まって魅力的です。

コンテンツの作者が、動画の構成まで考えているなら作画しやすいように思いますが、あらすじ程度だと構成(コミックだったらコマ割り)から考えなくてはならず、絵を描くまでの準備に時間がかかってしまいます。

どちらにしても、文字だけのシナリオから、イメージを作り出さなくてはなりません。自分勝手に描く自由で適当な絵とは違い、きちんと伝わる絵や構成でなくてはなりません。高度なデッサン力や塗りのテクニックは不要なものの、想像力、創造力、表現力が必要となります。

使っているソフトはクリスタ

この動画以外にもいくつかの動画をチェックしてみましたが、作画にクリスタが使われているものもありました。背景にクリスタの背景データが使われていたのです。

金額の多寡とは別に、自分の絵を金に換えてみたいという気持ちは私自身にもあります。この本の著者が行った活動が今も有効かはわかりません。ただ、比較的敷居が低い仕事と思います。今まで通り一枚絵を描きつつ、彼女と同じようなプロセスで自分の絵をプロモートしてみようかと考えています。

もちろんその前に、キャラのバリエーションを増やさなくては・・・。

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